レオン:レビュー
- The Doctor
- 2017年3月6日
- 読了時間: 3分
美しく繊細な少女と殺し方

ただのハードボイルド映画じゃない
この映画はジャンル的には90年代のアクション映画となっていますが、この映画の真意はアクションでなく主人公レオンとヒロインである若き日のナタリー・ポートマン演じるマチルダの二人の関係こそ最も注目すべき点です。もとはレオンはNYに住む殺し屋(劇中では掃除人とも)で登場シーンはそれこそプロの技というように次々と敵を倒していき任務をこなしていくのですが、ある時自宅のアパートである少女の家族が殺されていきます、帰ってきていなかったその少女は何とか殺されずに済んだものの、身寄りのなくなった彼女とレオンが同居していくのです。そして同居していくうちに二人に奇妙な絆が生まれていくといった話です。
独り者の殺し屋との奇妙な関係

前述で書いたように二人には不思議な絆が生まれていくのですが、これがまたなんというかただ純粋に愛というわけでなく、かといって友達とも違う何とも複雑な二人の関係ですが、そりゃ13歳くらいの女の子と40の殺し屋とだと何とも言えません。しかし最初は見ず知らずの隣人、そして暗殺を教える師弟、さらに親子それから恋人といった風に進んで行く二人の関係が描かれますがなんとも不思議な関係です。
悪徳警官と情け深い殺し屋

またこの映画のもう一つの肝はヒロインのマチルダの家族を殺した悪徳警官(最初はマフィアのボスかと)との因縁です。この悪徳警官はノーマン・スタンスフィールドというのですが映画のクレジットではヒロインのマチルダの前、つまり2番目に名前が出てくるのです。それもそのはず、かれはもう一人の主人公のようなもので、情け深いレオンとは対象に非情な警官という存在であるからです。またドラックをキメた時の演技も味があります。
強く生きる少女

一番印象深い人物であるヒロインのマチルダは家庭で暴力を受けつらい日々を送っていましたがある日帰ったら愛する弟と共に一家が全員殺されていました。身寄りのなくなったマチルダですが何とかレオンに引き取られ復讐のために暗殺術を身に着け、また元の家庭では味わえなかった優しさや喜びをレオンと共に感じていきます。しかし彼女はそれ以上の関係に乗り込もうと努力するもののレオンからは断られてばかり、しかしその間もマチルダは日々殺しの技を磨いていき、ついには一人で家族を殺したノーマンを殺しに行きます。しかしあっけなく捕まえられたマチルダをレオンが助けに行きますが、そのあとレオンはマチルダを捕らえられ絶体絶命の危機に瀕します。それでも何とかマチルダを逃がし、自分も抜け出そうとするもののアパートの外に出たとたん背後から撃たれてしまいます。しかしその場で手榴弾を炸裂し道ずれにすることで復讐を果たします。しかしマチルダはただ一人、愛する人をなくし途方に暮らしますが、それでもレオンの形見の苗を植え彼女は一人でまだ生きていくのです。
評価 9.0

ベタベタのアクションでも、ベタベタの恋愛でもない、ぶっきらぼうな殺し屋と愛らしい少女の物語。アクションにも見ごたえがあるし演技もなかなかのものです。ただそれだけではなくこの映画ならではの二人の特別な絆にも注目です。
Comments